源泉舘の温泉のこと

第1回 足元湧出、ぬる湯、混浴

 

 

当舘のメイン!かくし湯大岩風呂は、ちょっと珍しいタイプの温泉です。
何が珍しいって、浴槽の足元から直に温泉が湧き出ているんです。

いわゆる「源泉かけ流し」にもいろんな形がありますが、
うちの場合はパイプで引いてくるのではなく、湧いている場所そのものを浴槽にしているのが最大の特徴。

循環・加水・加温、一切なし。
空気に触れることなく湧き出たままのお湯に、そのまま浸かることができます。

 

湯温は約30℃。
いわゆる「ぬる湯」で、長くじっくり浸かることで体の芯から温まるタイプの冷泉です。

 

宿としてのサービスや設備も、いわゆる一般的な日本の観光旅館や温泉旅館とはちょっと、?いや、、、だいぶ違います。
あくまで「お湯をしっかり楽しむ」ための湯治宿です。
手厚いおもてなしや豪華なお食事を楽しみたい方には、正直不向きです。

 

そして最大のハードル!?うちのお風呂は混浴です。
「湧き出ている場所=浴槽」という構造上、どうしても混浴の形になります。
(ちなみに今は混浴の新設って基本的には難しいらしいので、今ある混浴は貴重な存在みたいです)
昔から受け継がれ守られてきた湯治のための大切なお風呂です。

この混浴には、当舘なりのルールを設けています。
そのあたりの詳しい話は、また別の記事でご紹介しますね。

 

ちなみに、作家・井伏鱒二先生が訪れていた宿でもあります。
昭和の面影が残る(というか昭和のままのw)舘内で、静かにぬる湯に身をゆだねる――
そんな時間が、少しでも日々の疲れを癒すきっかけになれば嬉しいです。

 

ありがたいことに、リピーターさまは全体の約8割。
お湯の力をわかってくださる方が多いんだなぁと、日々実感しています。

いつもありがとうございます☺︎